
仙台市内で花見の名所というと、榴岡公園、西公園、三神峯公園の三箇所が有名です。
そのなかでも、西公園は他のふたつの公園より規模は小さめながらも、
中心部の繁華街から近いこともあって、毎年多くの花見客で賑わっています。
その西公園に地下鉄東西線、西公園駅が建設されることになりました。
同時に西公園も再整備されることになり、公園内の桜の多くが移植されました。

去年まで花見のメインだった旧天文台前が鉄板で覆われて立ち入りできなくなっていました。
そこにあった桜のうち数本が、すぐ隣の源吾茶屋前に移植されました。

移植された木には、表皮を保護するための藁が巻きつけられていて、
さらに新しい場所に根付くまで、四方から棒で固定されていました。
移植作業は1年前から進められていたようです。
付近には、公園の南端にあった大銀杏も移植されています。あまりにも大きいので、
根を掘り起こした後、一日数メートルずつ引っ張って、ここまで移動させました。
小枝を切り落とし、表面全体に布が巻かれていて、まるで巨大なオブジェのようです。
画面奥が桜岡神社で、左側が源吾茶屋、右側が旧グラウンドです。
今年から、グラウンドだった場所が花見のメイン会場になりました。
「西公園お花見パーク」と名付けられたこの場所は、旧天文台前の約2倍の広さなので、
天文台前からの移植だけでは桜の木が足りません。そこで県内外の桜の名所から
苗木を提供してもらうことになりました。現在は角館の枝垂桜と弘前公園のソメイヨシノの
苗木が移植されましたが、いずれは東北6県の桜を全部そろえるのが目標だそうです。
こちらには、屋台もたくさん出ていて「花より団子」という人は満足かもしれません。
しかし若木が多いので、迫力ある桜が楽しめるのは、まだまだ先のようです。
天文台前から移植された大木もありましたが、移植のために多くの枝が落とされていて、
こちらも花見を楽しむには、ちょっと寂しい感じです。
しかし大木だけあって、数本まとまると結構な見応えがありました。
数十年後には若木も育って、東北中から集まった桜の競演が楽しめることでしょう。
東北各地から桜の苗木を集めるキカッケになったのは、
2年前、福島県三春町から譲り受けた天然記念物「滝桜」の苗木でした。
伊達政宗の正室、愛姫が三春出身だったので「愛姫桜」と名付けられたこの桜は、
公園南側の崖上で、工事用鉄板に囲まれながらも順調に成長して花を咲かせていました。
西公園で本格的な花見が楽しめるようになるのは、
地下鉄工事が終わり、若木が育ってからでしょうか。もう少し先になりそうです。
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